頚椎椎間板ヘルニアとめまいとの関係性について、お答えします!!
めまいとは、体のバランスを保つ機能に障害が起こると生じる病気です。
めまいの感じ方は人それぞれ違います。
厚生省の国民生活基礎調査では、約240万人にものぼっています。
今回は、めまいの中でも頚椎椎間板ヘルニアが原因で起こるめまいについてお話していきます。
目次
めまいとは?
体の中には平衡をつかさどる器官があり、その器官は5つあります。
1.三半規管
2.耳石器
3.前庭神経
4.脳幹
5.視床や大脳皮質
この場所に何らかの障害があるとめまいがおきると考えられています。
では、それぞれを解説していきましょう。
1.三半規管
三半規管は体の動きをとらえる器官で、回転などの動きを鋭敏にキャッチします。
三半規管に障害が起こると体が回転するようなめまいをおこします。
2.耳石器
耳石器は加速度や重力をとらえる器官です。
ここが障害されると、ふわふわするようなめまいをおこします。
3.前庭神経
三半規管と耳石器でキャッチした体の信号は、前庭神経で脳幹へ伝えられます。
前庭神経が障害されると、強い回転性のめまいがおこります。
4.脳幹
脳幹には体の位置、平衡を司る神経系が集まっています。
ここが障害されると回転するめまいがおこることが多いのです。
5.視床や大脳皮質
脳幹からの情報は視床、さらに大脳皮質へ伝えられます。
ここの障害ではふわふわするようなめまいを感じることが多いのです。
めまいは3つの症状がある
1.耳から生じるめまい
2.脳から生じるめまい
3.老人に多いめまい
の3つに分けることができます。
1.耳から生じるめまい
内耳にある三半規管の内部はリンパ液で満たされていて、体が動くとリンパ液の流れが変わります。
三半規管には3つの半円形の管があり、互いに90度の角度を持っています。そこでどの方向へ体が動いているかを容易にとらえることができます。
耳石器には炭酸カルシウムの小さな結晶がたくさんあって、これが感覚器の上に乗っています。体に重力や遠心力が加わると炭酸カルシウムの結晶が動き、体の傾きや重力、加速度をキャッチすることができます。三半規管と耳石器からの感覚情報は前庭神経によって脳幹へ伝えられます。
これらの器官、すなわち三半規管、耳石器、あるいは前庭神経に障害があるめまいが耳から生じるめまいです。
耳から生じるめまいでは、めまいと同時に耳鳴り、難聴、耳閉感があらわれ、まためまいと平行して軽快します。
2.脳から生じるめまい
脳が原因でおこるめまいは、耳鳴りや難聴、耳閉感をともないません。めまいも耳から生じるめまいにくらべると軽いことが多いのです。しかしながら、脳の障害による特徴的な症状があらわれます。
たとえば、物が二重に見える、顔や手足がしびれる、力が入らない、手がふるえるなどの症状です。
また、耳から生じるめまいは何度も何度も同じめまいを繰り返すことが多いのですが、脳から生じるめまいは、いままでに経験したことのないようなめまいであることが多いのです。
3.老人に多いめまい
お年寄りのめまいの特徴は、原因を簡単に明らかにできないことが多いことです。
たとえば若い人であればめまいにともなって難聴や耳鳴りが生じれば、耳に原因があるとわかります。ところがもともと耳鳴りがあったり、以前から難聴であることが少なくありません。
こういう状況の下にめまいがおこったとしても、かならずしも耳に原因があるとはいえないのです。
めまいの感じ方もかならずしも典型的ではありません。
回転性のめまいがおこるような病気であっても、揺れるようなめまいとして感じることがあります。このように、診断がむずかしいのがお年寄りのめまいです。
頚椎椎間板ヘルニアからくるめまい
頚椎椎間板ヘルニアでもめまいの症状は見られます。
めまいの症状は、先ほども説明しましたが、「立ち上がった瞬間にクラクラする、天井がぐるぐる回っているようだ、頭がフラフラする」といった状態になります。
これらのめまいは、一過性の症状や緊張性の症状、耳の病気の症状、脳の病気の症状など、様々な原因で起こります。
頭痛の症状でもめまいは見られますが、筋肉の緊張によって首(頚椎)や肩、背中がこる原因となります。さらに筋肉の緊張が強くなり、血行障害がおこると、頭痛に加えてめまいも起りやすくなるのです。
頚椎椎間板ヘルニアによるめまいの症状は、ふわふわとした感じで、船から降りた直後の症状に似ています。
天井がぐるぐる回っているような症状の場合は、頚椎椎間板ヘルニアが原因で起こるめまいではなく、内耳や三半規管に何らかの障害があるケースが多いようです。
フワフワする感じの症状だからと言って、頚椎椎間板ヘルニアが原因とは限りません。
薬の副作用によるものや発熱、自律神経失調症、貧血、精神的ストレスなども考えられるからです。
他にもこのような症状は、脳の病気の場合も現れます。
脳の病気が原因のめまいは、同時に歩行障害や運動機能障害、言語障害、感覚障害などの症状も現れることが多いようです。
まとめ
めまいは多くの病気による症状として単独ではなく現れます。
時には深刻な病気の場合もあるので、必ず医師の診断を受けるようにしましょう。
めまいの症状に加えて首(頚椎)から腕にかけての痛み痺れを伴うようなら頚椎椎間板ヘルニアの可能性が高いと言えます。
めまい以外の症状も伴うケースは、病気が進行していることも考えられるので、速やかに医療機関で診察を受けてください。
本日も最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。