首(頚椎)にかかる障害の原因と症状ごとの対処法について
首(頚椎)のこりや痛み、はりなどは誰でもが感じる症状の一つだと思います。
その数は人口の約7割の人が一生に一度は経験すると言われております。
人間の構造で首(頚椎)の骨は重さが6~8キロもある頭を支え、日常生活の中で、上下左右、回転回旋など複雑な動きをコントロールしているのが首(頚椎)でもあります。
それだけに首(頚椎)には大きな負担がかかります。
加齢によっても首(頚椎)の筋肉が弱くなったり、運動不足による筋力低下がありますが首(頚椎)の痛みは日常生活の意識を考えるだけでも防ぐことが出来ます。
今回は、首(頚椎)に起こる様々な症状とその原因、対処法などを紹介します。
目次
首(頚椎)にかかる障害の種類
首(頚椎)に負担のかかる症状は沢山ありますが、それぞれ原因と症状を紹介していきましょう。
1.頚椎症
首(頚椎)には7つの骨(頚椎)で構成されています。
年齢などによる椎間板の変性(老化現象)により首(頚椎)周辺の組織が硬くなることで首(頚椎)の痛みなどの症状を総称して頚椎症と言います。
頚椎症の中でも障害される部位によって頚椎症性脊髄症、頚椎症性神経根症と呼びます。
原因
首(頚椎)にあるクッションの役割をしている椎間板は年齢とともに水分が失わられ弾力性が少なくなります。
2.頚椎症性脊髄症
加齢により椎間板の変性が進み骨が棘状になる骨棘を形成することで、じん帯が厚く硬くなることで脊柱間にある頚髄が圧迫され、手のしびれや運動障害を生じる疾患です。
症状
・頚部の痛み
・しびれや感覚異常
・手足の知覚障害
・手先の細かい作業が不自由
・歩行障害
・膀胱障害
治療
保存療法(頚椎カラーや薬物療法)
理学療法(温熱、整体、マッサージ)
薬物療法(非ステロイド性消炎鎮痛剤、神経障害性疼痛治療薬、筋緊張弛緩剤)
神経ブロック療法
外科的療法
3.頚椎症性神経根症
頚椎の変性(加齢による)によって椎間孔が狭くなり、神経根が圧迫され起きる症状。
症状
・頚部の痛み
・しびれ感、感覚異常
・手の知覚障害
4.頚椎椎間板ヘルニア
首(頚椎)のこりや筋肉痛などをのぞくと首(頚椎)の障害の中でも最も多くみられる疾患です。
7つの頚椎の間にある椎間板という軟骨が、年齢や首(頚椎)への負担により、つぶれてしまい神経根を圧迫する病気です。
症状は頚椎症と同様の症状を起こします。
5.脊柱靱帯骨化症
背骨どうしをつなぐ靱帯が厚くなり、骨化していく病気です。
原因は不明で、骨化によって脊髄が圧迫されると首(頚椎)の痛み、手足のしびれなど頚椎症と同様の症状が見られます。
※最近では血糖値の高い人に見られる事から、糖尿病との関係があると推測されています。
6.その他
肺炎などによって、細菌が入り込むと、首(頚椎)の痛みや発熱を起こす事があります。
この場合は抗菌薬の処方が必要になります。
現代病とも言われる頚肩腕障害
ここ最近では、現代病とも言われている頚肩腕障害、この病気が社会的に注目され始めたのは昭和30年代と言われています。今では仕事に欠かせないパソコンですが、当時はコンピューターが職場に導入された時代です。その事により多くの人たちの間で、肩や腕のコリや痛み、手や指の痛みやしびれを訴える人が多くなってきました。
頚肩腕障害の症状
頚肩腕障害の原因のその大部分は仕事による過労です。
・仕事による使い過ぎによる過労
最近のビジネスでの必需品と言えばパソコンです。
デスクワークに必要な筋肉は細かい作業をするので、手指の筋肉が疲労を起こします。
ハードな作業が続くと痛みやこり、腫れなどを起こし、手指が曲がらなくなったり、伸びなくなったり、けいれんなどの症状が出始めます。
・不自然な姿勢
仕事での不自然な姿勢は色々な職業であります。
デスクワークなどの座り過ぎ、レジ作業での立ちすぎ、重い物を持つための前かがみの姿勢などを繰り返していると、首(頚椎)、肩、腕、背中、腰(腰椎)に大きな負担をかけ、症状が出やすくなります。
・運動不足
体はある程度の運動をする事で、血行が良くなり、筋肉も動くようになります。
動かない姿勢が多くあったり、運動不足でいると、血流が下がり、筋肉が萎縮していきます。
萎縮した筋肉には、疲労物質が溜まりやすくなり、症状も出やすくなります。
・精神的疲労(ストレスなど)
なにかと仕事にはストレスがつきものです。
精神的疲れや気疲れなどは健康にも及ぼしますのでその事により、頚肩腕障害を引き起こします。
頚肩腕障害の治療
治療の大原則として、原因をなくしていくのが、頚肩腕障害の治療になります。
・痛みを我慢しない
運動不足が原因でも頚肩腕障害ですが、痛みが出るような運動はしないようにしましょう。
痛みを感じず、適度な運動を心がけましょう。
・原因を追究する
いままで原因は仕事と言ってきましたが、仕事をなくすことは出来ません。
仕事の内容を考えて、体に負担のかからないプランを会社と相談することをお勧めします。
・休息をとる
どの病気でも体を休めることは大事ですので、充分な睡眠と規則正しい生活を習慣づけましょう。
・適度な運動で疲労回復
普段から忙しさのあまり、運動をする時間がなかなか取れません。
時間は作る物でもあるので、30分でも時間を作り、毎日続けられる簡単な運動をする事を心がけましょう。
適度な運動が体の血流をあげて、疲労を回復させてくれます。
頚肩腕障害の3つの生活改善
治療の所でもお話しましたが、日常の生活を見直すだけでも改善に期待が持てますので、意識してみましょう。
1.規則正しい生活
仕事がある時は規則的に起きたり、寝たりしますが、一番乱れやすいのは休日です。
休日だからと言ってダラダラするのではなく、起きる時間を一緒にして、食事や運動など規則正しく行うことも大事になります。
2.規則正しい食生活
頚肩腕障害に限らず、体の不調を訴える人に多いのが、肥満です。
体重が増えることにより、心臓や内臓に負担がかかります。
肥満を防ぐには普段からの食生活が非常に大切になります。
特に日本人はお米を食べます。
お米や麺類などは炭水化物と言われ、糖に代わり、糖は甘い物からも取れますが、食事からでもとれますので、摂りすぎに注意です。
その代わりにたんぱく質は積極的に摂りたい栄養素です。
体のもととなるたんぱく質(肉、魚、卵)は筋肉を育てる意味でも大事です。
それと、貧血の予防にもなりますので糖質、脂質、たんぱく質とバランスの良い食事をとりましょう。
3.快適な睡眠
人は人生の三分の一は寝ていると言われています。
快適に寝れる環境つくりとしては寝具です。
よく腰痛には硬い寝具がいいとか聞いたことがあると思いますが、ご自身で寝ていて朝起きた感じがいいのが一番合っているということです。
ベッドでも布団でもどちらでも良いので、ご自身に合った寝具を見つけましょう。
まとめ
首(頚椎)にかかる障害の種類をご理解いただいたと思いますが、改めてご自身での生活習慣など見直すチャンスかもしれません。
この記事が少しでも皆さんの情報になれたら幸いです。