突然襲った頚椎椎間板ヘルニア、その症状やご自身での改善方法をお答えします
首(頚椎)に起こるヘルニアを正式には頚椎椎間板ヘルニアと言います。
誰もが起こってもおかしくない病気です。
最近ではスマートフォンの普及やデスクワークでの仕事が増えています。それだけ首(頚椎)にかかる負担が増えているのでこの病気になりやすいのです。
では、頚椎椎間板ヘルニアと診断されたら、ご自身で改善する方法はどのように行えばいいのかをわかりやすくご説明していきます。
目次
頚椎椎間板ヘルニアを知るには、首(頚部)の構造を理解する。
上記のイラストは、首(頚椎)を左から正面、左方向、後方から見たものです。
首(頚椎)の構造は3つの組織から構成されています。
1.骨と椎間板
2.筋肉とじん帯
3.神経
では、1つずつ説明していきましょう。
1.骨と椎間板
頚椎とは、脊椎動物の脊柱最上部に位置する、7つの骨(1つ1つを椎骨と言います)から構成されています。
1番上の第1頚椎を環椎、2番目の第2頚椎を軸椎、3番目~6番目を第3頚椎~第6頚椎、7番目の第7頚椎を隆椎と呼びます。
7つの頚椎が重なり合い、中心部にできた穴が管の様になります。これを脊柱管と呼び、この中には、脊髄神経が腰まで伸びています。
頚椎1つ1つの間にはクッションの役割をしている、椎間板という組織があり、上下の骨がしっかりと連結するようになっています。※第1頚椎と第2頚椎の間には椎間板は有りません。
2.筋肉とじん帯
首(頚椎)の周りの筋肉には、頚椎どうしを結びつける筋肉と、頭の後ろにある後頭骨と胴体を結びつけるものがあります。
じん帯は首(頚椎)の前後、側方から連結し首(頚椎)に一定の以上の動きにならないように制限をしています。
首(頚椎)のじん帯には、3つあります。
①前縦じん帯
②後縦じん帯
③黄色じん帯
これらが、首(頚椎)を支えています。
3.神経
首(頚椎)の神経は3つあります。
①脊髄
②頚神経
③自律神経
この3つに分けられます。
①脊髄
脊髄は脳とともに神経の中枢なので、中枢神経と呼ばれてます。脊髄は硬膜、くも膜、軟膜と3つの膜で保護されてます。
頚椎にある脊髄は頚髄と言われ、大人の人差し指ぐらいの太さと言われております。
②頚神経
頚神経は、脊髄から出ている前根(運動神経線維)、後根(地殻運動線維)とが合わさって、頚神経になります。頚神経は第1頚神経(C1)から第8頚神経(C8)まで、左右1対ずつ合わせて8対あり後頭部、首、肩、腕、手の運動と近くを支配しています。
③自律神経
自律神経は内蔵、耳、目、汗腺、血管などを支配し、これらの機能を調整していますが自分自身では変化させることができません。自律神経には、交感神経(攻撃)と副交感神経(安静)から成り立っています。
頚椎椎間板ヘルニアとは一体どんなものなのか?
頚椎には先ほども説明したとおり、頚髄(脊髄)という神経組織があり、脳から肩、腕、手先に送られるすべての信号は、この頚髄によって送られます。
各頚椎の間には、椎間板というクッションの働きがある組織があり、この椎間板が普段の姿勢や、生活習慣によって、本来あるべきところから出てしまい、神経を圧迫してしまうことが頚椎椎間板ヘルニアです。
頚椎椎間板ヘルニアの主な原因
椎間板が飛び出してしまう大きな原因として、姿勢、スポーツや運動のやりすぎ、交通事故によるむちうち、老化、もともとの体質などがあります。
老化現象による機能の低下として、椎間板は常に重い頭を支えているので、圧力かかる所なので、組織の中でも最も早く老化が起きる所でもあります。そのため、劣化が進み中の髄核が飛び出して、神経を圧迫し、痛みやしびれを引き起こすのです。
頚椎椎間板ヘルニアの主な症状
頚椎椎間板ヘルニアの主な症状として、下記にの症状があります。
1.首(頚椎)、肩の症状
寝違え、首こり、肩こり、背中の痛み、胸の痛みなど
2.腕や手の症状
腕のだるさ、手のしびれ、むくみ、筋力低下(腕や握力)など
3.頭や顔の症状
頭痛、吐き気、めまい、耳鳴り、ふらつき
4.下半身の症状
歩行時痛、排尿困難
頚椎椎間板ヘルニアの改善方法とは?
急性期の場合は出来るだけ、首(頚椎)や肩に負担がかかる動作や作業は控えるようにしてください。ご自身でのマッサージやストレッチもとても有効でしょう。※急性期は控えてください。
その中でも代表的な改善方法を私の経験のもとに説明しましょう。
改善方法4つをご紹介
1.急性期にはアイシング
※詳しくはこちらで⇒ 頚椎椎間板ヘルニアでの局所冷却法
なんといっても急性期、特に痛みや炎症がひどい状態では動きも取れないので、安静な状態を保ちつつ、アイシングで患部を冷やすことに専念しましょう。
急性期は人それぞれ違いますが、2~3週間ほどで終わりますので、その間は無理をせず、アイシングにて、炎症を抑えていきましょう。
2.水分補給はしっかりと
椎間板の90%がお水で出来ているといわれています。
特に寝る前の水分補給は非常に大事になってきます。寝ている時に椎間板は1日の疲労を回復し、修復しますので、水分は欠かせません。
3.寝る前の温浴
寝る前にからだを温めて寝ることも大事です。
血行を良くすることは、首(頚椎)だけではなく体全体の回復にも関係してきますので入浴をして、水分補給をして、寝ることが椎間板にも良いことなのです。
4.タオルストレッチ
上の画像の様に、タオルを首(頚椎)の後ろに当てて、手は前方、頭は後方に手と頭が反対に力を使って首(頚椎)の後方をストレッチします。
ただしこの運動は、急性期には行わないでください。症状を悪化させてしまう恐れがあります。
この4つの方法は私自身が今でも行っている方法です。
個人差はありますので、無理をしないで行いましょう。
まとめ
今回の改善方法はいかがだったでしょうか?
頚椎椎間板ヘルニアになってからこそ、自分の体を知る材料にはなったと思います。
ご自身に体に合わせて、ケアを続けてみてくださいね。
少しでもこの情報が皆さんの症状の改善につながれば幸いです。
本日も最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。